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副鼻腔炎
鼻の通り道(鼻腔)の周囲には副鼻腔という空間がひろがっています。鼻かぜが悪化し副鼻腔にまで炎症が拡大した状態を急性副鼻腔炎と言います。
この炎症が長期にわたり改善せず慢性化したものを慢性副鼻腔炎(蓄膿症)と言います。
副鼻腔炎は放置すると改善しにくくなることがあります。また中耳炎や頭痛の原因にもなるため早めに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。
当院ではCTを完備しているためより正確な診断が可能です。心配な症状がある場合は是非おっしゃってください。
副鼻腔炎の症状は?
- 鼻水、鼻づまり
- 後鼻漏:鼻水がのどにたれてくる症状
- ほっぺた(頬部)やおでこ(前頭部)の痛み、頭痛
- 嗅覚低下:匂いが分かりづらくなることがあります
- 咳、痰:鼻水がのどに垂れてきて咳・痰の原因となります
- 歯の痛み:ほっぺたにある副鼻腔(上顎洞)は上の歯と近いため歯が痛くなることがあります
- 口臭:副鼻腔に溜まったうみが悪臭を放ち口臭の原因となります
炎症が高度になると目や脳にまで影響を及ぼすことがあり、視力低下や意識障害まで起きることがあるので放置しないようにしましょう。
副鼻腔炎になってしまう原因とは
副鼻腔炎になる原因として多いのがウイルスや細菌感染による鼻かぜで、悪化することで副鼻腔にまで炎症を起こし急性副鼻腔炎となります。
感染が落ち着かず長期にわたり放置すると慢性副鼻腔炎となることがあります。
- アレルギー性鼻炎による鼻腔内の環境悪化:鼻腔内・副鼻腔内の換気ができない状態が継続することでも副鼻腔炎になることがあります。
- むし歯(齲歯):上の歯は副鼻腔と近いためむし歯による炎症が副鼻腔にまで広がることがあります。
- カビ(真菌):カビが原因で副鼻腔炎となることがありますが、内服治療では改善が難しく手術による治療が必要になることがあります。
副鼻腔炎はこうやって診断します
視診:副鼻腔につながる穴を鼻の中から確認し、うみが出ているか確認します。必要に応じて内視鏡を使用します。
画像検査:CTやレントゲンで副鼻腔に炎症があるか確認します。慢性副鼻腔炎を疑う場合や合併症(目や脳にまで炎症が波及)を疑う場合に行うことが多い検査です。
当院ではCTを完備しているためより正確な診断が可能です。心配な症状がある場合は是非おっしゃってください。
副鼻腔炎の治し方は?治療法を説明します
鼻水の吸引:鼻の中をきれいにして炎症をおさえます。
内服:原因となっている細菌に対して抗生剤、副鼻腔にたまったうみを排泄しやすくするために去痰薬などを使用します。鼻のスプレー(点鼻薬)や抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)を一緒に使用していただくこともあります。
ネブライザー:薬の入った煙を吸っていただくことで、悪いところに直接に薬を届けることができます。
手術:慢性副鼻腔炎にたいして内服治療で改善が無い場合には手術による治療が必要となることがあります。主に内視鏡による治療で、必要に応じてしかるべき病院に紹介いたします。
子どもの副鼻腔炎
アレルギーの低年齢化、鼻を上手にかめないこと、集団生活によるウイルスや細菌の受け渡しなどが原因となり副鼻腔炎が改善しにくいことがあります。
睡眠障害や集中力の低下にもつながり、中耳炎の原因にもなるためしっかりとした治療が必要です。
大人と同じように抗生物質などによる治療が必要になることもありますが、薬による治療のみでなく鼻水の吸引で鼻の環境を整えることも非常に大切な治療です。